
イスタンブールの猫|街に暮らす猫との付き合い方
飼い主がいないのに、野良でもない
イスタンブールを歩くと、驚く数の猫に会います。カフェの椅子、モスクの絨毯、フェリーの座席、書店の平台。どこにでもいて、どの猫も落ち着いています。
この街の猫には特定の飼い主がいません。その代わり、街全体が世話をしています。店先には誰かが置いた水と餌の皿があり、路地の隅には段ボールと毛布で作られた小屋があり、冬になると誰かがそこに毛布を足します。獣医に連れて行くのも、たいてい近所の誰かです。
だから猫は人を怖がりません。逃げないし、寄ってもきません。そこに住んでいる、という態度をしています。
『Kedi』という映画
この関係を撮った2016年のドキュメンタリー映画があります。『Kedi』(トルコ語で「猫」)といい、イスタンブールの7匹の猫と、その猫に関わる人たちを追った80分の作品です。
批評家の評価も高く、米タイム誌は2017年の年間ベスト10に選んでいます。渡航前にご覧になると、街の見え方が変わります。
どこに多いのか
- スルタンアフメット周辺:モスクの中庭と公園。観光客に慣れきっています。
- カドゥキョイとモダ(アジア側):海沿いの遊歩道と市場周辺。この街でいちばん猫の密度が高い地区だと言われます。
- バラット:石畳の坂と、色の塗られた家の窓辺。写真を撮るならここです。
- フェリーの上:本当に乗ってきます。
- 書店とカフェ:店の猫として定着している子がいます。追い出されません。
触ってよいのか、餌をやってよいのか
実務的なところを書きます。
- 触るのは、猫が寄ってきたときだけ。寝ている猫を撫でに行かないでください。人に慣れていても、飼い猫ではありません。
- 持ち上げないでください。抱き上げられることに慣れていない子がほとんどです。
- 餌は、あげてもかまいません。地元の人が日常的にやっていることです。ただし人間の食べ物ではなく、スーパーやペットショップで売っているキャットフードにしてください。味の濃いものは猫の体に負担です。
- 水のほうが喜ばれることもあります。とくに夏です。
- 触ったら手を洗ってください。街で暮らしている動物です。健康そうに見えても、これは守ってください。
そして連れて帰ることはできません。動物の国際移動には検疫の手続きが要り、思い立って空港へ連れて行けるものではありません。
犬もいます
猫ほど話題になりませんが、街には犬もいます。耳にタグが付いている犬は、自治体の管理下でワクチン接種を受けている個体です。基本的におとなしく、人に無関心です。近づかず、目を合わせず、そのまま歩けば問題ありません。
猫を見に行く一日
猫中心で一日を組むなら、朝のフェリーでカドゥキョイへ渡り、市場周辺とモダの海沿いを歩くのが最も密度が高い組み立てです。午後にバラットへ回れば、色の塗られた壁と猫という、この街でいちばん撮られている構図に行き当たります。
どちらも坂と石畳です。歩きやすい靴でどうぞ。
よくある質問
イスタンブールになぜ猫が多いのですか?
特定の飼い主はいませんが、街全体で世話をされているためです。店先には誰かが置いた水と餌の皿があり、路地には段ボールと毛布の小屋があり、獣医に連れて行くのも近所の人です。人を怖がらず、逃げも寄りもせず、そこに住んでいるという態度をしています。
猫を触ってもよいですか?
猫のほうから寄ってきたときだけにしてください。寝ている猫を撫でに行かない、持ち上げない。人に慣れていても飼い猫ではありません。触ったあとは必ず手を洗ってください。
餌をあげてもよいですか?
かまいません。地元の人が日常的にしていることです。ただし人間の食べ物ではなく、スーパーやペットショップのキャットフードにしてください。味の濃いものは体に負担になります。夏は水のほうが喜ばれることもあります。
猫が多いのはどの地区ですか?
アジア側のカドゥキョイとモダが最も密度が高いと言われます。ほかにスルタンアフメットのモスクの中庭と公園、バラットの石畳の坂、そしてフェリーの船内です。書店やカフェに住み着いている子も珍しくありません。
街の犬は危なくないですか?
基本的におとなしく、人に無関心です。耳にタグが付いている犬は自治体の管理下でワクチン接種を受けています。近づかず、目を合わせず、そのまま歩けば問題ありません。
猫を日本に連れて帰れますか?
できません。動物の国際移動には検疫の手続きが必要で、思い立って空港へ連れて行けるものではありません。事前の長い準備を要する手続きです。


